亡き母をしのんで

「亡き母をしのんで」と題して、昭和56年11月3日に亡くなった父・米田義昭が生前原稿用紙に残した文章を公開します

3 母から義昭へ(2の手紙に同封のもの)

 

無事に着きました由安心しました。

家の事も何にも心にかけず、お祖父母様、光子様の云う事を守り、一心に勉強して下さいませ。

貴方が居らなくなり淋しくなりました。和雄はイチヤンイチヤン(編注、「兄ちゃん」の意)と時々思ひ出して話してます。私はお祖父様に、貴方の事は何事もまかせてありますから、父母の事は考へず、お祖父様に相談して下さい。

別に何も書く事もありません。何にも話さなくとも、よく貴方は判って居る事と母は信じて居ります。

今日は、たくわんもつけました。又雨降りです。干大根もこんなに雨ばかりではよく出来ません。大根も一メ(編注、一貫目)七円になりました。貴方が頼んだのは取ってきました。

私は別に手紙は出しませんが、貴方は時々様子を知らせて下さい。

身体によく気を付けて、お祖父母様に心配をかけない様にしなさいネ

  母より

義昭樣(編注、母は時々この「樣」という字を用いた。)