亡き母をしのんで

「亡き母をしのんで」と題して、昭和56年11月3日に亡くなった父・米田義昭が生前原稿用紙に残した文章を公開します

10 (義昭より母へ 2.24付手紙。消印不明)

お手紙有難う御座いました。(編注、この「御手紙」は、7の手紙を指している。つまり、6の私の手紙は、私からの転入通知として一方的に書いたものであり、5の母の手紙は、6の手紙に先き立ち、私がその転入を電報で知らせたことに対する返事として書いたものだから、5と6は往復書簡ではなく、ほぼ同じ日に書いて、入れ違いに相手に届いている。そして、私は5の手紙に対する返事として8の手紙を受取る前に、6の私の手紙に対する返事として7の手紙を出しているのである。そして、7に対する返事がこの10である。この10を書いたときには、9の父の葉書はまだ私に届いていなかったことがその内容で分る。)(中略)今日小包が着きました。随分長くかかるものですね。合羽があって本当に有難いと思ひます。十六日附の手紙と十七日送った小包は届きましたか。(中略)僕の服のことは何も心配なさらないで下さい。どんな物でも辛抱しますから。(中略)此の前大阪の叔父さんが来られた時、お父さんが突然府庁に来たのでびっくりしたと言って居ました。家はまた見附からずに電車で通っているようです。博正の寝小便には困ったものですね。誰に聞いても、皆あまり経験ないらしく、よくわかりません。何かなほる方法があるとよいですね。毎晩起きてさせるのが大変ですね。(以下略)